
2024年10月16日
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インビザライン矯正は、見た目に優れた透明なマウスピースを使用した歯列矯正治療として、世界的に広く知られています。しかし、インビザライン矯正を開始する前に、考慮しておくべき重要なことがいくつかあります。その一つに「親知らず」があります。
今回は、インビザライン矯正における親知らずの抜歯の必要性と、その影響について詳しく解説していきます。また、そのメリットとデメリットについても取り上げます。
インビザライン矯正を始める前に、親知らずの状態を確認しておくことが大切です。
親知らずは正式には「第三大臼歯」といいます。通常17歳から25歳にかけて生え始めます。
その生え方や時期には個人差があります。手前の大臼歯と並ぶように生える場合もあれば、一部分が歯肉から見えるように生えたり、斜めに生えたり、または真横になって、歯茎に完全に埋もれていることもあります。
さらに、親知らずが手前の第二大臼歯を前に押すような力をかけることもあり、それが歯並びや咬合(噛み合わせ)に悪影響を及ぼす可能性があります。
インビザライン矯正を計画する際、まずレントゲン検査で親知らずの状態を正確に把握しておくことが非常に重要です。親知らずが問題を引き起こす場合、それは歯茎の炎症や周囲の痛み、歯並びの乱れといった多くの問題が発生する可能性があります。
そのため、炎症や痛み、歯並びの乱れを起こしそうなリスクがある親知らずは、治療前に抜歯することもあります。これは、インビザライン矯正の治療が成功するための重要な一歩となるでしょう。
リスクのある親知らずを放置しておくと、インビザライン矯正の治療中に、むし歯ができて痛みが出るなど、予期しない問題が生じることがあります。一方、抜歯の必要性やタイミングについては患者さんによって異なります。
インビザライン 矯正治療を開始する前に、歯科医師としっかり話し合って確認しておきましょう。
親知らずを抜歯することで、インビザライン矯正がよりスムーズに進行し、またその治療効果を最大限に引き出すことができます。具体的なメリットは、以下の通りです。
親知らずを抜歯することで、他の歯が十分に移動するためのスペースが確保され、予定通りの歯列矯正が可能になります。抜歯をすることによって歯の移動のスペースができるため、歯並びの調和が取りやすくなります。
治療計画がスムーズに遅れることなく進行し、治療期間が予定よりも短期間になる可能性があります。
このため、より効果的に・確実に歯が移動するようになり、矯正治療が計画通りにされることで、最終的な結果がより予測しやすくなります。また、抜歯によって不必要な圧力が軽減され、インビザラインのアライナーが理想的な位置に装着されやすくなります。
親知らずの抜歯は、単にインビザライン矯正をスムーズに進めるだけではありません。親知らずは歯ブラシが入りにくいため、清掃が難しい状況にあります。食べかすが詰まり、むし歯や歯周病の原因になりがちです。
親知らずを抜歯することで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。親知らずが引き起こす可能性のある歯肉炎や感染症を防ぐことで、治療中や治療後も快適な口腔環境を維持できます。
親知らずがなくなることで、残りの歯の位置が安定しやすくなり、矯正後の歯並びが長期間維持されやすくなります。親知らずが押し出してくる力がなくなるため、矯正後の後戻りリスクも低減されます。
親知らずを抜歯しない場合、以下のような影響が出る可能性があります。
親知らずが手前の歯を押す可能性がありますので、他の歯の移動が計画通りに進まないことがあります。これにより、当初の治療予定よりも治療期間が大幅に長くなる可能性があります。特に、親知らずが部分的に埋まっている場合、親知らず周囲に炎症を引き起こす可能性があります。その結果、治療中に親知らずの抜歯が必要になることも考えられます。
親知らずが治療中もしくは治療終了後から歯並びを悪化させるような問題を引き起こし、追加の治療が必要になるケースがあります。よくあるのは、親知らずが治療中に動き始め、手前の歯や噛み合う歯を圧迫し、歯並びを乱すことや、親知らずが移動し、アライナー(マウスピース)が入りにくくなるといったケースです。これらは、治療後でも問題を引き起こすことがあり、結果的に再治療が必要になるというリスクがあります。
また、親知らずがインビザライン矯正に与える悪影響について、具体的な例をいくつか紹介します
インビザラインは歯を少しずつ動かす治療法ですが、親知らずがあることでこの動きが妨げられ、計画通りに進まないことがあります。特に歯の移動スペースが限られている場合、親知らずが他の歯を圧迫し、動かすべき歯が十分に動かないことがあります。
親知らずの存在によってアライナー(マウスピース)が入りにくくなり、適合が悪くなることがあります。アライナーを正しい位置に装着できない場合、歯が計画通りに移動せず、その結果、治療が進まない可能性があります。
治療後に歯列がもとの位置に戻ろうとする「後戻り」という現象があります。それ自体はどのような矯正治療でも見られますが、この原因は親知らずによるものがあります。インビザライン矯正でも同様で、せっかくインビザライン 矯正を頑張っても、後戻りにより追加の治療が必要になる可能性があります。
インビザライン矯正を成功させるためには、親知らずの抜歯を検討することも重要です。
親知らずを抜歯することで、インビザライン矯正治療の進行がスムーズになり、治療効果を最大限に引き出すことができるでしょう。しかし、抜歯を選択しない場合でも、そのリスクやデメリットを十分に理解しておくことが大切です。
最終的には、患者さん一人ひとりの口腔内の状態や、歯科医師の治療方針に基づいた最適な判断が求められます。そのために、親知らずを抜歯するかどうか、抜歯時期についても歯科医師と話し合い、確認しながら治療を進めることが不可欠です。そして、納得して治療を進めていきましょう。
インビザライン矯正を検討中の方はぜひ北習志野I’S歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。
監修:北習志野I’S歯科・矯正歯科
院長 山岸 朋史
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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